天体望遠鏡の自作 その3
天体望遠鏡自作の続き その3
前回までであらかた全体の設計が終わったので3Dプリンターでパーツを出力していきます。
出力するパーツは主にレンズ、鏡筒(大)、鏡筒(小)を組み合わせるためのアタッチメントです。他の自作している方々のブログを見ると鏡筒(大)と鏡筒(小)の隙間を埋めるためには鏡筒(小)にC環をとりつけたり、紙やテープを巻いて微調整ということをされているようですが、3Dプリンターであれば0.1mm単位の調整が可能ですので、そういった作業が不要になります。
不覚にもフィラメントが白しかありませんでした。
光の透過を考えると黒の方がよいのですが、今から黒フィラメントを買うと予算オーバーしてしまうので白で作り、後でカッティングシート(黒)で覆うことにします。
一つ目ができました。
鏡筒(小)と接眼レンズを取り付けるためのアタッチメントです。
さっそくはめてみます。
ぴったりはまりました。
さすがに4年以上?3Dプリンターを使用しているのですっかり腕があがり、最近ではプリントを失敗することもほとんどありません。ミスをするとしたらプリントミスよりも設計ミスのほうが多いです。
接眼レンズはどうでしょうか。はめてみます。
こちらもぴったり。さかさまにしても落ちてきません。
接眼レンズの径31.7mmに対して32mmで設計してありますが丁度よいです。
このアタッチメントに関してはサイドからネジで固定してあげないとスッポ抜けてしまうかと思っていましたが、ハマり具合からするとこのままでも大丈夫そうです。むしろレンズ交換が楽でよいです。
この調子で他のパーツも出力しました。
左2つは対物レンズを鏡筒(大)に取り付け用、真ん中は鏡筒(大)延長用、右上は鏡筒(大)と鏡筒(小)の組み合わせ用、右下は先ほどの接眼レンズ用にカッティングシートを貼ったもの。これだけあればとりあえず組める状態になります。
鏡筒(大)用に出力したパーツもこのとおり精度よくできました。
塩ビ管とのすきまはほぼありません。0.1mm違うだけでもハマり具合が変わってくるほどなので、一回設計をミスって0.3mmほど小さい直径で出力してしまったのですが、それは塩ビ管が入りませんでした。
組み立てる前に鏡筒の内部に光の反射を防ぐための処置をします。
今回は植毛紙ではなく、100円ショップで習字の下敷き×2を購入してきました。
内部に貼るのに結構苦労しましたが、やはり貼るのと貼らないのとでは大分違います。
貼っていない手前の方は内部が明るくなってしまいます。
対物レンズ部分を組み立て。
短い鏡筒(大)に取り付けました。外側からネジを入れて、内側はナットで止めてあります。対物レンズは結構な重さがあります。
接眼レンズはともかく、対物レンズは結構な重さがあるので、使っているときにレンズが落ちないよう、鏡筒(大)との取り付けは全てネジ止めをしておきたいところ。
加えて、メンテナンス性も考慮して簡単に各部の取り外しができるようにしておきたいです。
いろいろ考えた結果、鬼目ナットを使うことにしました。
外側からネジで固定できるように、ネジ受けとして鬼目ナットを塩ビ管に打ち込んでおくものです。ネジをローレットつきのものにすればドライバー不要で手で回せます。
一通り組み立ててみました。大きく狂っている箇所もなく、まずまずのデキです。
これで完成でもよいのですが、外観を整えてあげる必要があります。
次回は外観を整えるところから。