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ものづくりに関すること。3Dプリンターとその関連ソフトやツールのこと。

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3Dプリントの後処理を極めたい

3Dプリンターで出力したモデルの後処理を極めたい

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3Dプリンター造形時の積層痕は光造形にもFDMにもありますけど、特にFDMで出力したときの積層痕てどうにかならないのかなと。色を塗った時に積層痕が目立つとかっこ悪いんですよね。

フィラメントによっては積層痕が目立たないものがあったり、ノズルを変えることで改善できたりしますけど、積層痕がなくなるわけではないです。スライサーのパラメーターをいくら調整しても同じです。多少は良くなりますけど積層痕は無くなりはしないです。

ABSならアセトンベーパー処理でツルツルにできるけど、エッジがなまってディテールが潰れてしまいます。それにABSフィラメント自体がPLAよりも3Dプリント時の扱いが難しいので使いたくないです。

結局表面をツルツルにしたければ磨くしかないという結論。
テストピースを作って磨き~塗装の練習に励むことにしました。

 

テストピース

今回はブレスレット型のモデルを使います。

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ブレスレットのモデル


さくっと4つ出力します。
 材料:PLA
 積層ピッチ:0.2mm

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出力したモデル

綺麗に出力できてはいますけど、積層の縞模様が肉眼でわかります。指で触るとギザギザ感もしっかりあります。

アップにするとこんな感じです。

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出力した状態




磨き作業

まず棒やすりとかサンダーでゴシゴシ削ります。

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道具

何個か練習して気が付いたのは、ここでしっかりヤスっておかないと後工程で取り戻しはできないということです。なので全面的に削ります。

棒やすりやサンダーで削った後は紙やすりやスポンジタイプのヤスリで磨きます。
スポンジタイプの神ヤスが耐久性あって使いやすかったです。

120→240→400みたいな感じで粗い番手から順に磨いてきます。
ここでも粗い番手で磨き残しがあると、後の細かい番手で取り戻しができないのでしっかり磨かないといけません。

磨いた後はこんな感じ。
見た目に積層のような縞は見えますが、触るとツルツルになってます。
磨く前と比べてつやが出たような気もします。

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磨き後

ただ、出力後の状態のときから少し気になってた点があるのですが、積層が一部乱れているようで明らかに大きな段差ができてました。樹脂の吐出量が不足してその層だけがかすれて凹んだような感じ?下の画像の矢印で指してるライン。

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積層の乱れ

正直、こうなってしまうといくら磨いたところでどうなるものでもないです。どちらかというと磨くのではなく、埋めてあげないといけないので。
基本はパテで埋める感じでしょうか?このような場合の対応は別途まとめるとして、今回はいい感じに処理して磨き作業を進めました。

サフ吹き

磨き終わったものにサフを吹いてみました。
意外と綺麗にできた気がします。ただ、光の加減で凹凸が目立つのでまだ磨きこみが足りないようです。本来ならここから磨き>サフ>磨き>サフと満足いくまで繰り返すのでしょうが、今回はいったん塗装まで流します。

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サフ吹き後

ちなみに、サフを吹くのにエアブラシを買ったのですが、最近は安いものもいろいろあるんですね。数万円するものとばかり思ってましたけど簡易的なものが数千円で買えるようになってました。
コンプレッサーと一体型になってる充電式のタイプとかコンパクトながらコンプレッサーが別タイプ とあります。
タミヤとかアネスト岩田とかの立派なエアブラシセットにも憧れますが、所詮趣味の範囲でたまーに使う程度なのでまずは安いのを買って使ってます。
これまでの筆塗りに比べたら出来栄えが雲泥の差なので満足してます。

塗装

そのまま塗装までしてみました。

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塗装後

可もなく不可もなく。
磨き処理を600番までしかやってないので、ツルツル感は出てません。
よく見たらまだ細かい傷が結構残ってる・・・。

プラモデルのように綺麗なツヤを出すためにはもっと数字の大きい番手で磨く必要があります。もともとプラモデルは成型品なので面肌が3Dプリント品とは異なります。「プラモデルのように」するためにはかなりの労力がいるということですね。

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後記

後処理を極めたい、と言いつつまだまだ練習中の身ですが積層痕を消すことはできるようになりました。各段階でどの程度まで磨けば次の番手へ移ってよいのか、光沢を出すためにはどこまで磨きこめばよいのか、自分の中で標準仕上げと言えるレベルを確立してその手順を手際よくこなせるようになりたい、などなどこれから学ばないといけないことが多くあります。