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ものづくりに関すること。3Dプリンターとその関連ソフトやツールのこと。

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2021年1月 3Dプリンター光造形機の比較してみた

2021年になりました。

我が家では今年も正月休みの間から3Dプリンターが稼働しております。

今はFDM機1台と光造形機1台を主に使っています。昨年買い換えたFDM機はともかくとして光造形機の方はあまり納得のいく造形ができないので今年中に買い換えたいなぁという希望をもっています。

そこで、最近の光造形機市場がどうなっているのか今うちに調べてみようと思いました。SNSでよくみかけるブランドをピックアップしてラインナップやスペックを簡単に比較してみようと思います。

 

 比較する3Dプリンターメーカー

今回とりあげるのは以下の7メーカー

-ANYCUBIC

-ELEGOO

-NOVA3D

-Creality3D

-Phrozen

-Peopoly

-EPAX

他にもあるけど、自分が買うならこの中のどれかだろうなぁ。というので選びました。

 

ANYCUBIC

まずはANYCUBICから。Photonが有名で光造形機が広く普及したのもこの機種が大きな役割を果たしたのではないかと思います。

3万円程度で十分な精度の造形ができると一時期はSNS上にこのPhotonで作った造形品がよくあげられてました。もちろん今でも見かけます。

PhotonもPhoton-Sが出てるとかは知ってたのですが、それ以外にラインナップ増えてました。

 

「Photon」

スタンダードな機種
Printing volume : 115mm *65mm *155mm
一世を風靡をした機種だけど今となってはあえてこれを選ぶ理由はあまりないかな。
光造形機初心者ならPhotonユーザー多いからいろいろ聞けてよさそうとか、海外から直で買えば2万円ぐらいで買えそうなのでコスト面もよさそうなので、これから光造形を始めるエントリー向けという感じですかね。

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Photon

 

「Photon-S」

Photonよりも高性能になった版
Z軸のリニアレールが1本から2本になったのが大きいのかな?
LCD2kなのはPhotonからなので変わりなさそう。
Printing volume : 115mm *65mm *165mm
造形できる高さがphotonよりも10mmだけ高くなってます。

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Photon-S

 

「Photon Mono」

造形サイズが大きくなったMono
Build Volume: 130mm(L)*80mm(W)*165mm(H)
造形スピードが速いのも特徴らしい。MAX 50mm/h。

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Photon Mono

 

「Photon MonoX」

LCDが4Kタイプですね。
Build Volume: 192mm(L)*120mm(W)*245mm(H)
プリントスピードもMAX 60mm/h。
他のラインナップと比べて性能が全然上ですが、その分お値段も倍くらいする。
公式のサイトで見て約$700

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Photon MonoX

 

「Photon Mono SE」

さらにもう1機種。
これは2KLCDタイプですが、造形スピードがさらに速いのが特徴らしくMAX 80mm/h。
Build Volume: 130mm(L)*78mm(W)*160mm(H)

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Photon Mono SE

 

Photonシリーズを見ていると機種名にMonoが付いているものとそうでないものがあります。これはLCDタイプがMonochromeタイプかどうかを示しているようです。
以前の主流はRGBタイプでしたが、現在はMonochromeタイプに切り替わりつつあるようです。MonochromeタイプだとLCD寿命が延びたり造形速度の高速化につながるとのこと。

これはANYCUBIC社だけの話ではないので、他社製品もそこらへん気にしながら見て行こうと思います。


ELEGOO

ELEGOOにはMarsシリーズとSaturnシリーズがあります。
まずはMarsシリーズから 

「ELEGOO Mars」

一番スタンダードな機種ですね。これもPhotonと並んで人気があったように思います。
Build Volumes  120 x 68 x 155 mm
約$200という手頃な価格が一番の魅力でしょうか。

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ELEGOO Mars

 

 

 「ELEGOO Mars Pro」

ELEGOO Marsの改良版て感じですね。
改良点を見ると使い勝手を改良した点がいろいろあるようです。初期型リリース後からユーザーの声をフィードバックをしたのでしょうか。

Build Volumes 120 x 68 x 155 mm 造形サイズはMarsと変わってないようです。

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ELEGOO Mars Pro

 

「ELEGOO Mars 2」

Version2になりました。特徴的な赤のカバーから緑になりました。
一番大きく変わったのはLCDが2KのMonochromeタイプになったことですね。

Build Volume: 129mm(L)*80mm(W)*150mm(H)
造形可能サイズは平面で見ると一回り大きくなったようですが高さ方向が5mm縮んでます。
やはりELEGOOもMonochromeLCD採用の流れに乗っているんですね。

 

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ELEGOO Mars2

 

「ELEGOO Mars 2 Pro」

Version2のProです。
もちろんMonochromeLCD採用しています。Mars2と比べて大きな変化はなさそうですがBuild Volumes  129mm(L)*80mm(W)*160mm(H)
造形サイズが高さ方向で10mm大きくなっています。
カバーがELEGOOぽい赤に戻りました。

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ELEGOO Mars 2 Pro

 

ELEGOOのMarsシリーズラインナップを見るとMars2Proが筆頭で、それ以下価格を刻んで計4機種あるようですが、Mars2が割安感あるので今は一番売れてるぽいですね。

※2021年3月追記-----

MarsシリーズではMars2proのあとにMars2がリリースされたようです。
Mars2はMars2proと比較してハードウェアの面が一部簡素化されたようですがそれでもMrs2proと同等精度の出力ができ、価格も安価になったということでMars2のほうが人気のようです。
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もうひとつのSaturnシリーズは現時点では1機種です。

 

「ELEGOO Saturn」

4KのMonochromeLCD採用した機種です。造形速度は30mm/hと抑え気味のスペック表示になってます。
Build Volume 192mm (L) * 120mm (W) * 200mm (H)
造形スペースもかなり大きくなってます。
スペックから見てもSaturnはMarsシリーズの上位にあたることがわかりますが、これでも公式サイトで$500です。魅力的ですね。

 

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ELEGOO Saturn

 

 

 

NOVA3D

こちらもちょいちょいSNSなどで見かける機種。オンラインショップでレジン探しているとNOVA3D用のレジンをよく見かけるのでどんな機種があるのか調べてみました。

サイトを見ると2ラインナップあるらしいです。
Elfin2の系列とBene4の系列。旧機種まで調べると大変なので各系列の最新機種のみ調べました。

 

「Elfin2 MONO SE」

名前の通りMonochromeLCD対応。2K。
Print Speed 18mm/h-39mm/h
Build Size  132*74*150mm
AnycubicやElegooと同価格帯で競っている機種という印象。

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Elfin2 MONO SE

 

「BENE4 Mono」

こちらはスペックをみても正直Elfin2と大きく変わらない印象を受けました。
Print Speed  18mm/h-39mm/h
Build Size 130*80*150mm
機能でフューチャーされてるのはZ軸のリニアガイドとかLCDが交換しやすい構造とかなので、ハードウェアに少しお金かかってるのかもしれないですね。
価格的にはBENE4のほうがElfin2 Mono SEよりも$100高いのでそのくらいの差はあるのだと思います。

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BENE4 Mono



Creality3D

CrealityはFDM機ではEnder3やCR-10Sシリーズとか他にもKickstarterで3Dprinterのファンディング大成功させていたり、多くのヒット商品がありますがあまり光造形機のイメージがありません。でも実は何機種かリリースしているのでどんなものか調べてみました。実は単純に私のお気に入りのメーカーだったりするので興味があるだけです。


もともとLD-001~LD002~LD-003と順番にバージョンアップさせてリリースしてましたが、今はLD002を中心にラインナップしているようです。

「LD-002R」

2KのLCD搭載品。LCDはモノクロタイプではないです。
Build Volume 119x65x160mm
最新機種というわけではないので特筆すべき機能はないですが、価格約$200と安価なので試しに1台という感じで使ってみるのには良いのかもしれません。

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LD-002R

 

「LD-002H」

2KのMonochromeLCD搭載品です。
Build Volume 130x82x160mm
モノクロタイプのLCDを搭載してスペック、価格ともに他社の低価格帯ラインナップに対抗している感じですね。

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LD-002H

 

「LD-006」

これまで2機種はあまりパッとしないなぁという印象でしたが、いっきにバージョンが飛んでLD-006なるものがリリースされてました。
8.9inchの4KMonochromeLCD搭載機種ですね。
Buidl Volume 192x120x250mm
Max printspeed 60mm/h
スペック的には申し分なさそうです。これで公式サイトで約$700です。
なかなかに良さそうですが、まだ実力が未知数なので購入者が増えてSNSとかでもこの機種の造形例が出てくるのを楽しみにしたいです。

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LD-006

 

PHROZEN

本命の登場。最近のSNSにはPHROZENで造形した作例があふれています。
ラインナップもバリエーション多く出ているので全部紹介すると大変です。

もともとは名前に「Shuffle」と入った機種が人気でしたが、MonochromeLCD搭載した機種「Sonic」のラインナップに切り替わっていってるようです。
PHROZENも多くのラインナップがあるので公式サイトにまとまった比較表があるので詳細はそちらに任せるとしてここではSonic系を3機種だけ紹介したいと思います。

 

「Sonic mini 4K」

PHROZEN Sonicの小型ラインナップの一つ。
6.1インチの 4K mono-LCD搭載です。
Build Volume L134xW75xH130mm
printing speed 80mm/h

もうひとつsonic miniという機種がありますが、4Kかそうでないかが違う点です
造形サイズも4Kタイプのほうが一回り大きくなっています。
公式だと約$350でした。このBuildVolumeで4Kなので精細な造形に向いていそうですね。

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Sonic Mini 4K

「Sonic XL 4K」

Sonicの大きい方のラインナップの一つ。
8.9inchの4K Mono-LCD搭載です。
Build Volume L120xW190xH200mm 造形サイズもたっぷりです。特にXY面積が他機種の倍くらいありますね。
このくらい造形サイズがあると安心なのですが、価格もそれなりで20万円超えてしまいます。価格を抑えたSonic 4Kもありますが、造形サイズがXY面で半分くらいになります。

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Sonic XL 4K

 

「Sonic Mighty 4K」

9.3inch 4K Mono-LCD搭載
Build Volume 200 x 125 x 220 mm
Printing Speed: 80mm/ h
公式で約$500
SonicXL4K欲しいけど高いんだよなぁ、という悩みを一瞬で吹き飛ばすスペックと価格。なぜLCDのスペックと造形サイズが同等なのに価格が1/4なのか・・・。もっとspecを詳細に比較すれば価格なりの違いはあるのでしょうが、求める品質によっては十分かもしれませんね。
それと、XYの解像度が52μmなので、細かいものをいっぱい作りたいならsonic mini 4kのXY解像度35μmの方が適しているとかあるので、何を作りたいのかというのも含めて要検討。

 

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Sonic Mighty 4K

 

 

PEOPOLY

このメーカーのプリンターは国内ユーザーはあまり見ないですが、海外ユーザーがSNSに造形品をあげているのをよく見ます。

大きいの作る海外の人たちに人気、という感じでしょうか。
価格帯も20万~な感じなので一番ポピュラーな機種を1つだけ。


Phenom

Build Volume  276 x 155 x 400 mm 造形サイズは申し分ないですね。
LCDについて細かい仕様が書いてないのですが、Monochromeタイプではないようです。Monochromeに対応したのはNoirのようです。
とにかく大きいものが作りたいなら選択肢としてありかもしれません。

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Phenom

 

 

EPAX

知らない人も多いかもしれませんが、こちらのメーカーも海外を中心にPhotonやELEGOO Marsが流行っているときに結構人気があった(と思う)機種です。箱から出してキャリブレーションもなしですぐ使える、というお手軽さが売りでした。
その後どうなったか追ってなかったので今回調べてみました。

サイズで標準/大型の2ラインナップあるようですが、今回は以前に人気だったX1の後継だけ調査。

 

「EPAX X1K 6" Mono Screen」

2Kの6inchMono-LCD搭載してます。標準サイズ機では唯一MonochromeタイプのLCDを積んでいる機種のようです。
Build Volume 130.56mm (L) *82.62mm (W) *155mm (H)
公式で$600。使い勝手はよさそうですが、価格&スペック的には他社を追っかけているような状況でしょうか。

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EPAX X1 6" Mono Screen

 

まとめ

以上、7メーカーの機種を見てきましたが、なんとなく全体の傾向が見えました。
トレンドは「4K」「MonochromeタイプのLCD
造形サイズは3万円程度のクラスだと130x80x150mmぐらいが標準
5万円~10万円程度だと200x120x200mm。モノによっては高さが250mmくらいまで


自分としてはエントリー機はもういいので、次は5~10万のクラスを購入したいですね。精度、造形サイズ的にもちょうどよさそうなので。それ以上のクラスは造形サイズの拡大が大きな違いになってきそうですが、そこまで大きいプリントする機会もあまりないですから。
それに我が家には30~40cmクラスを造形できるFDM機があるのでそちらと棲み分けする意味でもそこまで大型の光造形機は不要になります。


現在のラインナップで見ると
-Photon Mono X
-ELEGOO Saturn
-Creality LD-0006
-PHROZEN Mighty4K
あたりが候補ですね。

今回は大雑把なスペックと価格を見てだいたいの方向性を決めただけなので、これから細かい使い勝手や実際の造形品質、どこで購入するのかも含めてもう少し深堀りしようと思います。

ちなみにもし予算の都合で小型で選ぶとしたらSonic mini 4K か Mars2Proのどちらかで迷うなぁ。
Sonic mini 4Kは綺麗に造形できそうだけどやっぱり少し造形可能なサイズが小さいんだよなぁ。Mars2Proくらいあったほうが作りやすいかなぁとか悩みます。

 

まだ今すぐ買うというわけではないのでこれらの後継機種も含めてしばらく様子を眺めたいと思います。