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ものづくりに関すること。3Dプリンターとその関連ソフトやツールのこと。

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MakerFaireTokyo2017で見てきたもの

8月5日~8月6日にかけて東京ビッグサイトで開催されていたMakerFaireTokyo2017に出展側で参加しましたが、合間に子供を連れて見て回ったもののうちいくつかをまとめ。


1 スマートミラー

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個人的に一番気になったのはヘンリーウィーさんによる鏡に情報を映し出せるスマートミラーです。
仕組みはマジックミラーの裏側にLCDモニターを配置してあります。これでLCDモニターを表示するだけで、表側からは鏡に情報が映し出されているように見える、というもの。LCDに表示させるにはパソコンではなく、RaspberryPiを繋いでいました。

スマートミラーがこんなに簡単に作れるとは目からウロコ。しかもRaspberryPi+LCDモニターとあれば私の得意分野ではないか、と。12インチサイズのスマートミラーならすぐ作れそうなので、応用範囲が広がりそうです。

家に帰ってから調べてみると、主に海外でスマートミラーの作例は結構あるんですね。表示する内容は天気、時計が多いですが、もっと面白い使い方も考えられそうなので、今後スマートミラーの作例が増えていくことが期待できそう。


2 pi-top

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どこのブースか忘れましたが、私の永遠のライバル?pi-topが展示されていました。
思わず写真を撮りましたが、説明員は他の人対応で忙しそうにしており、話を聞くことができませんでした。残念です。
中に搭載している白いボックスはおそらくpi-topPULSE。LEDマトリクスが内蔵されていて、pi-topでプログラムすることによりゲームができるようです。webサイトではRaspberryPiにコンパチブルで乗っかるようなイメージでしたが、写真はどのように接続されているのかよくわかりません。オプションのスピーカーモジュールも搭載していますね。音を聞いてみたかった。


3 ビスマス

f:id:masayuki_sys:20170812142405j:plain鮮やかな色合いをしている鉱物。実際に結晶が作られる様をデモンストレーションするということだったので、時間を見計らって子供と見学。延べ棒状態の鉱物を溶かして器に入れてから10分弱放置して冷却すると結晶化されました。モノによって色が異なるのは冷却速度の影響とのこと。ちなみにこのように結晶化されているものは天然では存在しないそうです。

とにかくお兄さんのビスマス結晶に対するこだわりが強く、お客さんにサンプルを見せるため、回覧するのですが、回ってきたサンプルにカメラを構えたお客さんに向かって「それは写真とらないで!」と強めに言うのですが、なぜ写真撮ってはいけないのかと思いきや「それは出
来が悪いから!」と仰ってました。出来がよいものだけを写真におさめてくれ、ということだそうです。


4 ロボットプロレス

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ここ数年、恒例となったロボットプロレス。昼過ぎの回を見に行ったら人垣でまったく見えず。次の機会をうかがっているとビスマスの結晶化デモとタイミングがかぶり、結局初日の最後のデモを見に行きましたがやはり大盛況。早めに動いたのでなんとか見えるポジションを確保。10分間1本勝負を2試合観覧。最後は油断している相手を後ろから捕まえてジャーマンスープレックスで決めるなど、素晴らしいエンターテインメントでした。


5 RepRapCommunityJapan

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私が使っている3Dプリンターatomの生みの親であるKatoさんが運営されている会です。
去年は大型の3Dプリンターを展示されておりましたが、今年は小型機と飴を造形する「キャンディプリンター」を展示されておりました。

キャンディプリンターは粉末状の砂糖?を溶かしてドロドロになったものを射出して整形するというもので、デモでは器の形をしたものを出力し、垂れたりすることもなく綺麗に出力できていました。これからもチャレンジングな取り組みに期待です。


6 PCN

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私のブースの向かい側で出展されていたPCN。かの有名なIchigoJamを紹介されていました。
プログラミングの初等教育用で、モニタを繋ぐとキャラクターベースの画面ではありますが、ミニパソコンとして動作し、Basicプログラミングの勉強ができます。他にも入出力ポートがあり、ロボットを動かすこともできるようです。私も1台持っていて、とりあえずIchigoJam搭載のミニノートPCは作りました。

ここで、福野泰介さんという方と名刺交換させていただきましたが、どうやらこの人、有名人。IchigoJamを作った張本人?であり、既に会社も立ち上げていて、政府からも公認で活動されているような方でした。どうりでやたらこの人と写真を撮っている人が多いわけだ。もっといろいろ話を聞けばよかったです。


7 SAKURA.io

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PCNの福野さんとの話の際、SAKURA.ioというサービスで通信モジュールが月額60円ほどで使えると聞いたので早速そのブースへ足を運んで話を聞いてきました。

LTEの通信モジュールが月額60円で利用できる
・月に10000回の通信が可能。(約5分に1回の頻度)
・通信モジュールは8000円
・回線はソフトバンクの回線。
・一度に送れるデータ量は聞いたけど忘れました
Arduinoなどに接続するにはブレイクアウト基板が必要。(たしか2500円ぐらい?)
・RaspberryPi用の変換基板は現在開発中で一般にはまだ販売していない
ということでした。

月額60円はよいですね。通信頻度も(プロジェクトによるけど)十分そう。
自分の中で「そのうち、利用するだろうな。」という印象です。


8 Strawbees

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ストローを自在に組み合わせて遊ぶためのスウェーデン製工作ツールキット。
シンプルな形のパーツをストローに差し込んいくことでストローを簡単につなぐことができます。
会場入り口入ってすぐのところでワークショップを展開しており、開場中にStrawbeesで作った帽子をかぶっている人がおりました。

この手のセロハンテープやのりなどを使わなくて工作ができるツールキットは、個人的に大好物で、もっと広がってもよいと思うのですが、それほど普及しないという状況です。以前にもMakerFaireTokyoではダンボール工作用の「MakeDo」というツールキットが出展されておりましたが、こちらもそこまで普及していないですね。私は購入して家で重宝してますが。

Strawbeesも1式購入してその場で子供たちに遊ばせてみたところ、添付のチュートリアルを見ながら蝶々やオブジェなどを作っておりました。若干、パーツ同士を組み合わせるのに力が必要なので小学校低学年くらいの子供だと難しい面も。改善の余地ありですが十分楽しめます。子供たちが遊ぶのを見ていて、自分でもこういうの作りたいなぁという構想が生まれました。

9 ボンサイラボ

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3Dプリンターメーカーのボンサイラボさん。ここの3Dプリンターはデアゴスティーニで販売されていたため、ユーザーは結構多いと思われます。

BSCUBEという小型の3Dプリンターを展示されておりましたが、それおりもブースにいた巨大な招きネコがとても目を引きました。全高1mは超えていたのではなかろうかと。自分でも3Dプリンターを使うので、このサイズを作るのに要する労力とフィラメントの量は相当なものだと想像ができます。聞くとボンサイラボ製3Dプリンターのユーザーさんにそれぞれのデータを配ってプリントしてもらったとのこと。チームワークですね。

ここではフィラメントの販売もしていたのですが、値段がなんと1kgで500円。
激安なので思わず購入しました。ラッキーです。



以上、私がMakerFaireTokyoで見学した主なものですが、実際にはもっと多くの魅力的な展示があって、後からSNSで見て見逃した感があるものも多いです。ざっと駆け足で一通りは見たつもりでしたが、全然でした。

また来年も展示側で応募するかは不明ですが、足を運ぶことには間違いないのでその際はしっかり観てこようと思います。

おことわり
一部写真を取り損ねたブースの紹介には、Makeのサイトや公式サイトからロゴや製品の写真を拝借しました。

MakerFaire2017に出展してきました。

8月5日~8月6日にかけて東京ビッグサイトで開催されていたMakerFaireTokyo2017に出展側として参加してきました。

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2年前からやや進化した自作のノートパソコンを引っ提げての参加です。
予定していたとおり、12インチを2台(青、黄)と9.7インチを1台(茶)用意しました。

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3台のパソコンを電源入れておいて、ゲーム、音楽、プログラミングなどのソフトを動かしてデモを実施してましたが、気づくと3台ともゲームで使われており、2日間通して子供たちのゲームセンターと化しておりました。

ゲームに食いついた子供の親に「これ、組み立てられるノートパソコンなんです」って説明するパターンをひたすら繰り返し。

そんな中、最初から興味を持って見て、私の考えにガッチリ共感してくれる人がいたり、類似のプロジェクトに取り組んでいる人と情報交換もし、キット化したら買いますと言ってくれる方にも出会えました。

また、今回は子連れだったので、子供らが飽きないように時間を割いて他のブースを回ったため、いくつか興味深いプロジェクトも見つけることができました。
おかげさまで2日間、十分に有意義な時間を過ごしたと思います。

さて、これで3年以上?取り組んできたノートパソコンの自作プロジェクトも一定の完成度は得たかと。まだ部品調達の面や、完成度が甘い箇所など不安要素はありますが、今後の展開どうするか。

MFT2015のときからキット化を要望する声があることは承知済みなので、その声にこたえるべく、
・自力で10~20セットくらい作って細々と頒布するか。
クラウドファンディングに出して応援を募りつつ、もう少し大きい規模で欲しい人の手元に届けるか。
・これはこれとして一区切りつけて、これまでの経験値を生かしつつ別のプロジェクトに取り組んでいくか。

悩みますな。
クラウドファンディングだとさすがに一人では手に余りそうなので誰か手伝ってくれる人とかおらんでしょうか。

今日は日中35度、夜も30度ほどありそうです。眠れないかも。

ノートPCを自作する(35)MakerFaire2017に向けて1台完成

ノートPC自作プロジェクト
RaspberryPiをメインにしてオリジナルのノートパソコンを自作しようとしている取り組みです。

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MakerFaire2017に向けて1台完成しました。

畳んだ状態で厚みを測ると35mmでした。
2年前に作成したノートPCは約50mmだったので15mm(30%)程度の薄型化を実現しています。

point-cloud.hatenablog.com

性能もサイズ(厚み)も15年前の市販ノートパソコンと同等程度でしょうか?
これ以上薄くするにはRaspberryPiの2階建USB端子とLAN端子から変えていかないと難しそうです。あとは液晶ですかね。今使っている液晶は厚みがあるので、こちらもLEDバックライトのタイプに変えると薄くなるかも。

そこら辺が改善されると次はオリジナルのHDMI→LVDS基板を設計しなおす必要が出てきそうです。こうしてこまごま詰めていくと25~30mmは実現できるかと思われますが、薄型化を追求するのはキリがないですね。


ノートPCを自作する(34)ディスプレイの調光

ノートPC自作プロジェクト
RaspberryPiをメインにしてオリジナルのノートパソコンを自作しようとしている取り組みです。

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以前から「液晶画面が暗い」と嘆いていましたが、やっと改善できました。


1 既存の構成

そもそも、どういう構成だったのかというと、
【液晶】
LP121x04という古いibookG4から引っぺがした12inchサイズのもの。

HDMI→LVDSへの変換】
オリジナルの基板(5V仕様)

【液晶インバーター
市販品のHDMI→LVDS変換基板に付属していたもの(12V仕様)
型式で言うと「SLX-INV-0101」です。

一番大きな間違いは液晶インバーターへインプットする電圧が足りていなかったことと思われます。液晶インバーター「SLX-INV-0101」仕様上、Input voltage: 10.8-13.2Vと記載があります。にもかかわらずオリジナルのHDMI→LVDS変換基板からの出力は5Vしかなかったのです。この状態でPWMによる調光とかいろいろ試しましたが結局改善しませんでした。

2 5V仕様の液晶インバーター

そこで、オリジナルのHDMI→LVDS変換基板の5V出力に合う液晶インバーターがないか探したところ、「INV01070FXC7B」なるものをaitendoで見つけました。

www.aitendo.com
こちらは5Vで動作するようなので、これと必要そうなケーブルをいくつか見繕って購入。

現在の構成からインバーターのみ交換して電源を投入。
すると・・・

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何も映らない?いや、映っているんですね、これでも。ただバックライトがほとんど光っていないだけなんです。角度によってはうっすらとデスクトップが見えます。


3 調光

バックライトが光らないということは、液晶インバーターが壊れているか、調光が怪しいです。壊れている可能性は低そうなので調光の方からあたってみることに。

HDMI→LVDS変換基板から液晶インバーターへは3本の線(赤、黄、黒)が伸びています。
インバーター側のシルクをみるとVCC、ADJ、GNDと刻印されているのでADJが調光のための線です。こちらにPWM信号を出力するにはHDMI→LVDS変換基板の別のコネクタ(写真上部の黒い20Pコネクタ)の該当ピンに0-5Vを入力する必要があります。現在はオープンなので0V状態。

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試しに該当ピンに3.3Vをかけると・・・映りました。

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ただ、まだ暗いです。

今度は5Vをかけると・・・・
ばっちりです。写真ではやや暗めに写りますが実物は申し分ないです。

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ということで、無事に問題解決。
液晶パネルを5V仕様で再利用できるようになりました。
かかった費用は液晶インバーターとケーブル合わせて1000円ちょっとです。

最後に、CCFL管を使った液晶バックライトでは高圧を取り扱うので、良い子は真似しない方がよいです。

Maker Faire 2017

Maker Faire 2017開催まであと1か月を切りました。

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2年ぶりに自作のノートパソコンを出展する予定です。
間に合えば自作ノート3台(12.1inch x 2台、9.7inch x 1台)を並べます。
それに加えて先日届いたPinebook14"と手持ちのMacBookAir13"を並べてみようかと。
あまりに自作のノートPCが見劣りするようだと考えますが。

残り1か月でどこまで作りこめるか。
天体望遠鏡とか作っている場合でないです。そっちは先ほど土星がきれいに見えたので満足しました。しばらく放っておきます。


Maker Faire 2017の出展者紹介ではElectronicsのカテゴリに入っています。

makezine.jp



天体望遠鏡の自作 その5

天体望遠鏡の自作の続き その5f:id:masayuki_sys:20170708084208j:plain



やっと月が上がるタイミングで晴れたので自作の天体望遠鏡で月を見てみました。
すばしいですね。上の写真は50倍の倍率ですが、クレーターのデコボコ感がよくわかります。人生初望遠鏡ですから市販のものと比較してとかよくわかりませんが、よく見えます。

もう1枚、別の日に見たときのものがこちら。
モノクロ加工してあります。
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子供たちにも月を見せて「おぉー」という感じ。
一つの目標は達成しました。
あとは土星を見ないと。


それから、天体望遠鏡越しにデジカメで写真を撮るのも難しいですね。
どうしてもピントが甘くなってしまいます。実際には写真よりも断然シャープに見えてますから。練習が必要そうです。

天体望遠鏡の自作 その4

天体望遠鏡の自作の続き その4

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一応、完成しました。
前回までで形ができたので、カッティングシートを貼って外観を整えました。
鏡筒には白、3Dプリンターで出力したアタッチメントには黒のカッティングシートを貼っています。

床に置いたところ。サイズ感がわかりにくいかも。

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接眼レンズ側から。
これは18mmの接眼レンズをつけています。31.5mmサイズではないのでさらにアタッチメントを作って装着してます。

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接眼レンズを交換するときは、18mmのレンズをアタッチメントごと外します。レンズを外した後のこの穴は31.5mm径に合うようになっているので、先日購入した6mmオルソスコピックを直接はめます。

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このように、ワンタッチでレンズ交換ができるのでとても楽です。

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さて、望遠鏡は作ったはいいものの、梅雨時期でなかなか晴れず、夜空の星を観察することができません。しかも今は夜中に月が見える位置にないし。

試しに日中、窓から遠目に見える木を見てみました。
グーグルマップで距離を測ると130m離れた位置の木です。
写真はiphoneのカメラを接眼レンズにくっつけて撮りました。

焦点距離6mmレンズ 倍率150倍
風に揺れていたというのもありますが、うーんという感じです。ピントも甘いし乳白色な感じで、やはり80mm口径の対物レンズで150倍は厳しいのでしょうか。

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焦点距離18mmレンズ 倍率50倍
このレンズは家にあった顕微鏡の接眼レンズを試しに使いまわしてみたものですが、思ったより綺麗に見えました。

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もう一度6mmのレンズに交換して別のところを見てみました。
115mの位置にあるタンクのようなものです。表面に文字が書いてあるのですが、これははっきりと見えました。私の視力は1.0~1.5ですが、肉眼では文字があることもわからないです。

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ということで、ひとまず完成したのであとは天気の様子を見ながら月面と土星をしっかり観察したいと思います。
あまり作りに凝りだすと泥沼にはまってしまいそうなのであとは三脚への固定ぐらいにしておきます。

実質、週末だけ作業するとしても2,3週あれば天体望遠鏡が作れてしまうので大変手軽です。予算も予定通り2万円以下で出来ました。

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そういえばフード作り忘れてた・・・。
そのうち、作るかな・・・。