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PointCloud

ものづくりに関すること。3Dプリンター、レーザーカッター、3Dスキャナー、3DCAD、RaspberryPi、Arudionoとか。

3Dプリンターを楽しむコツ

3Dプリンターを使いだしてから3年以上が経ちます。一時期よりは頻度が減ったものの、未だに3Dプリンターを動かしては何かしら作っています。これまでよくも飽きずに使い続けてるものだと、自分ながらに感心しているのですが、一方、世間的にはせっかく手に入れた3Dプリンターを放置している方も多いのではないかと推測してます。


3Dプリンターはまだまだいろいろな問題を抱えていて、出力に時間がかかるとか、メンテナンスに手間がかかるとか、材料の調達先が限られているとか、3Dプリンター持ってても作るものがない(=コンテンツ不足)とか。他にも言い出したらキリがないのですが、自分がなぜこれらの問題にも屈せず3年以上も使い続けていられるのか、振り返ってみました。



失敗させない

3Dプリンターでの出力はよく失敗します。特に最初の頃は成功率が50%以下だったかもしれません。出力し始めの1層目がしっかりベッドに食いつかずに途中で出力物が剥がれてしまうとか、ABSで反りまくるとか、オーバーハングが上手く出力できずにグズグズになってしまったりと様々な要因で失敗するのです。

失敗してしまうとそれまでの時間が全てパーになってしまうので、極力失敗させないことが必要です。
私が思うに、大事なポイントは以下の3点
①フィラメント
②出力した側から冷やすためのFAN
③1層目の調整


まず、1つ目の「フィラメント
フィラメントを購入するとき、店頭販売している店は少ないので、主にネットで購入することになります。
楽天やアマゾンで検索するといくつか出てきますが、とにかく安いものを追い求めて3000円/kgのようなフィラメントを購入すると痛い目にあいます。(最近はよくなっているのかもしれませんが)私が購入していたときは1.75mm径のフィラメントにもかかわらず、太いところで2mm近くもあり、当然チューブの途中でつまってプリント中にフィラメントが出てこなくなりました。その他にもオーバーハングが上手く出力できなかったり、ブリッジも決まらないのでサポートをつけると出力後にサポートが剥がれず使いものにならないケースもありました。

なにかのタイミングで5000円/kg程度のフィラメントを購入して使ったとき、その質の良さに感動しました。とにかくブリッジが綺麗に決まるのでサポートを使う機会も減り、無駄なサポートが不要になったので出力時間も短縮しました。フィラメントの質の大切さを痛感し、それ以降安いだけのフィラメントは買わないようにしています。


2つ目「AN
プリントした側から樹脂を冷やすために、ノズルの側につけるファンです。一部の機種では標準で装着されているものもありますが、自分が作ったRepRapにはありません。小型のFANを用意したら、Thingiverseなどのサイトを検索して自分のプリンターに合う形のファンホルダーのデータを探します。見つけたらそれをプリントしてFANを装着して使います。データが見つからないときは自分でデータを作ってください。

自分はノズル側のFANは早い段階から使っていたのですが、使っている間にノズルの熱でホルダーの先端がダレてしまい交換が必要になっていましたが、今はノズルに近い部分だけはアルミ板にしてあるので熱にも耐えられます。このFANがあるときとないときとでは、やはり出来上がりに大きな差がでます。特にZ方向に向かって広がっていくような形(花瓶のような形)ではプリント中に淵が熱でめくれてきてノズルと接触して失敗するというケースもFANがあれば防げます。それに仕上がりも綺麗になります。

ここでフィラメントとFANの有無による違いを画像で見てみます。
まず、安いフィラメントでFANなしの場合。あらゆるところがダレて形造れていません。



次にフィラメントを良質なものに変更し、FANも動作させた場合
各所の形がきれいに出ています。サポートなしです。




3つ目「1層目の調整
「1層目を制するものは3Dプリントを制す」と誰かが言ってましたがそのとおりで1層目をしっかりベッドに食いつかせるのは大事なことです。プリントの途中で出力物が剥がれてしまっては全てが無駄になるのです。この問題を解決するためにベッドの種類や塗布する材料、調整するための機構などいろいろなアイディアが試されています。

数ある対策の中から自分がとっている対策は2つあります。一つ目は3DALさんのサイトで公開されている「ベッドオートレベリング」の機能を追加で実装しました。この機能はZ軸方向の0点調整を自動で調整してくれます。しかもベッドが傾いていてもその傾きを計算してプリントしてくれます。これは自分のプリンターの剛性というか、水平に自信がないためで、最近のプリンターでしっかり水平が出ていてあまり狂わないようであればここまで必要ないかもしれません。
もう一つは「脱脂」。プリントする前にポリイミドテープを貼ったベッドをエタノールで脱脂します。使っているうちにベッド面も手の脂が付着し、食いつきが悪くなるためです。マスキングテープやシワなしPitも評判が良かったので使ってみましたが、底面に付着したノリの除去など後処理に手間がかかるデメリットもありました。その点、脱脂するだけであれば後処理も不要です。
上記の「ベッドオートレベリング」と「脱脂」を組み合わせてからは1層目が剥がれてしまうトラブルは一度も発生していません。しっかり食いついてくれます。


以上、3点のポイントを説明しましたが、この3点を抑えてプリントの成功率を上げたのが、自分が長続きしている一つの要因と感じています。これまで失敗続きでめんどさくなって3Dプリンターを放置しているような方がいれば上記のポイントを見直していただければ失敗する確率はだいぶ減るでしょう。
よく、ソフトの設定を細かくいじってなんとかしようとしている人がいますが、スライサーソフトの設定を細かくいじるのはプリント品質向上のためには必要ですが、その設定だけでは解決できない問題もあるのです。まずはソフトは標準的な設定程度にとどめておき、上記のポイントを抑えてプリントを確実に成功できるようになってからさらにソフトの設定を詰めることに取り組めば良いかと思います。そこまでくれば3Dプリントもさらに楽しくなるでしょう。