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ものづくりに関すること。3Dプリンター、レーザーカッター、3Dスキャナー、3DCAD、RaspberryPi、Arudionoとか。

3Dプリントが反るときの対策方法

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3Dプリントで困ることの一つ、「造形中の反り」
反りが発生すると造形中にビルドプレートから剥がれてしまったり、最後までプリントできても見た目が悪く、寸法もおかしくなるので部品として使い物にならなくなることも。

自分も散々失敗したし、未だに失敗することもありますがそれでも失敗する確率はだいぶ減ってきて、また失敗しても改善ができるだけのスキルが身についてきました。(主にPLA使いなので大したことないのですが・・・)

ここでは自分が3Dプリントの反り対策として行なっていることをいくつかご紹介したいと思います。 


対策1 温度調整

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そもそも造形中の反りは樹脂が冷えるときに収縮するのが主な原因です。
なので、温度調整が一番の対策になります。インダストリアルグレードの3Dプリンターはだいたいチャンバー内の温度管理ができるようになっていることからもその大事さがわかります。

個人向けの3Dプリンターにはビルドプレートを含む造形スペースがケースに覆われているボックスタイプとアルミフレームなどで組まれているだけのオープンタイプがあります。

温度調整の面からいうと当然ボックスタイプの方が有利ですね。オープンタイプは室温の影響をもろに受けますから温度調整もくそもないのですがやれることをやりましょう。ちなみに自分が使っているのはオープンタイプの3Dプリンターです。

オープンタイプの3Dプリンターにおける温度調整といっても大したことはなく、要はビルドプレートの温度を高めに設定せよ、ということです。ビルドプレートの温度が低いと反り易いです。PLAだったら60度にしておけば良いと思います。

1層目が食いつくから十分、とビルドプレートの温度を低めにしたりヒーター切ってたりすると、反り易い形状をプリントしたとき綺麗に反ります。
高めに設定しておけば低層部の樹脂の収縮を抑えて反りにくくなります。


対策2 ビルドプレートとの密着性

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 当たり前ですがビルドプレートとしっかり密着してないと反りの影響ですぐビルドプレートから1層目が剥がれてしまいます。1層目が少しでも浮いた瞬間にもうアウトなのでしっかり。

主なポイントは
・ビルドプレート。標準のまま使うのか、テープを貼るのか、最近はPEIシートが良いとか噂も聞きます。私は好きではありませんが糊で食いつきをよくする人もいます。上手くいくならそれもあり。
・ノズルとビルドプレートのクリアランス。離れすぎないこと。
・ビルドプレートの脱脂。手脂ついてるとすぐ剥がれます。
・フィラメントの質。安物の中にはたまにダメなフィラメントがあります。


対策3 ラフト/ブリム

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※左がラフトで右がブリム

スライサーの設定でできる対応としてはラフト/ブリムを抑えておきましょう。
ラフトは造形物の下に敷く座布団です。ブリムは餃子の羽根です。
自分はラフトだと下面が荒れるのでブリムをよく使います。
ラフトやブリムは全体に適用されてしまうので、反りやすそうな部分がごく一部しかない場合はスライサーの設定ではなくモデルを修正して必要部分にだけ羽根をつけても良いかと思います。


対策4 インフィルの調整

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同じ形状の造形物でも内部の密度によって反りの度合いが変わります。
ある部品を作るとき、練習でインフィルの値小さめで造形して成功したのですが本番時にインフィルの値大きめにしたら見事に反って失敗したことがあります。

インフィルの値が大きい(ソリッドに近い)ほうが反り易いです。強度が必要ないならインフィルの値をできるだけ小さくしましょう。

スライサーによってはレイヤーの範囲でインフィル設定を変えることができるので、この設定を使って低層レイヤーだけでもインフィルの値を小さくすれば反りを低減できます。


対策5 冷却

ビルドプレートの冷却のことです。どこまで影響があるかはっきりしたことは言えませんが自分は気をつけているポイントです。
ビルドプレートのヒーターが切れるタイミングは設定によりますが、主に造形中の積層レイヤーがある程度の高さになったとき、または造形が完了したときのどちらか。

いずれもヒーターが切れたあと一気にプレートが冷えないよう、手動で温度を設定して時間をかけて温度を下げたりします。 


対策6 接着

最後にあまりオススメしませんがある程度の効果が望める手段として、木工用ボンドでの接着をご紹介。

これは上記の対策が十分に実施できてなくて、反りが発生することが大いに予想されるとき、もしくは造形中のものを観察して反りが発生する兆しが見えたとき、該当箇所に木工ボンドを垂らしてビルドプレートと接着することで反りを防ぐものです。

ボンドには即効性が求められるので速乾タイプを使用してます。
XY方向に動いているビルドプレートにこちらも動きを合わせて的確に垂らさないといけないので難易度は高めです。ノズルに手がぶつかると積層にズレが発生することもあり、そうなっては全てが台無し。

そのリスクを背負ってまでボンドでいくのか、素直に最初からやり直すのかは状況によって判断が必要になります。

上手くいけば反りの予防や悪化を防ぐことができます。
造形後、固まったボンドはある程度剥がすことができますが多少なりとも造形物やビルドプレートに残って汚れになる可能性もあるのでその点も考慮が必要です。

 

以上、6つの対策をご紹介しました。
最近は20cmx20cm以上のビルドスペースを持つプリンターが手軽に買えますが、反り対策ができないとそういった機種を買っても有効に利用できないでしょう。

まずはPLAを使って上記の観点で反り対策を練習してみてください。
大型の造形が綺麗にできるとまた3Dプリントライフが豊かになります。