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PointCloud

ものづくりに関すること。3Dプリンター、レーザーカッター、3Dスキャナー、3DCAD、RaspberryPi、Arudionoとか。

3Dプリンターで作ったものを塗装する方法

3Dプリンターで出力したものに色を塗りたいときはありませんか。

そんなとき、どの方法で塗装すればよいのでしょうか。今回はアクリル絵の具で塗装する方法を試してみました。

 

塗装する方法はどんなものがあるか。

これまでにも何回か塗装が必要になったことがありますが、そのときは大体プラモデル用のスプレーを使っていました。例えば、以前に作成したボールジョイント人形のカエル君なんかがそうです。

製作記はこちら

point-cloud.hatenablog.com

このときは白PLAでプリントし、組み立てる前に部品の状態で緑スプレーを吹いてます。お腹の白い部分はマスキングテープで保護しました。

ただ、スプレーは結構綺麗に濡れますが、手間がかかります。晴れて風があまりない日に外に出て行う必要があるし、床や周りのものに色が付かないように新聞紙を敷き詰め、塗るときはまず塗料の食いつきをよくするためにプライマーを吹いてから、緑スプレー、1度塗り、2度塗り、細かいところや入り組んだところにもう1回。毎回乾かす時間を入れながら塗り、最後に塗装が剥げるのを防止するために、仕上げでトップコートを吹きます。私にとってはとにかく準備が面倒に感じます。細かいものを塗るよりも広範囲に塗る必要があるものにはいっぺんに均一に塗れるのがメリットでしょうか。

 

アクリル絵の具で塗る方法がよさそうに見えた

3DモデルのダウンロードサイトであるThingiverseなどでモデルを見ているとカラフルなモデルの写真を見かけることがあります。しかも造形の質からするとこれはフルカラーの3Dプリンターを使っているわけではなさそう。どうやって色付けをしているのかと思い記事の部分を読んでみると「acrylic paint」の文字。なるほど、アクリル絵の具を使っているのか、と。

たとえばこういうの

www.thingiverse.com

アクリル絵の具でこんなに綺麗に塗れるものなのかと思いしばらく前から試してみたいと思っていたところ、東急ハンズに足を運ぶ機会があったのでアクリル絵の具コーナーに行ってみました。

 

アクリル絵の具には種類がある

アクリル絵の具コーナーに到着して棚を見るとズラーッと並んだアクリル絵の具の数々。なんか、メーカーも複数あるし、同じ色でも〇〇タイプとか、△△タイプとかいろいろあるし、まったくもってわからん。目線の高さにある有望そうなものだけでもレギュラータイプ、ソフトタイプ、アクリルガッシュ。とりあえず1色ずつ買って試そうと思いそれぞれ買ってきました。

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 実はこの時点ですでに1つ余計な買い物をしています。この時には全く気が付きませんでした。

 

3種類のアクリル絵の具を買ってきて塗ってみた結果

買ってきたアクリル絵の具で塗装する前に、確認したいポイントをおさらい。

確認したいのは、

・塗装の容易さ

・積層痕が消えるのか

・下地の色の影響を受けるのか

この3点を確認したいと思います。

 

色を塗る対象物は、白PLAの板状のものと、緑PLAの棒状のもの(動物をプリントしたときの足です)。いずれも積層ピッチは0.2mmで造形しています。

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まずは、白PLAの板にアクリル絵の具レギュラータイプ(青)、ソフトタイプ(赤)、アクリルガッシュ(黄)を塗ります。

こちらがレギュラータイプの青。

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次にソフトタイプの赤

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そしてアクリルガッシュの黄

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いずれも塗り心地はよいです。水に溶かさないで塗りましたがそれでもよく伸びて塗りやすいです。絵の具なんて子供の時に使った水彩絵の具ぐらいしか知りませんが、アクリル絵の具の方が使いやすい印象です。3つのタイプではどれが塗りやすいとか特に差を感じませんでした。

 

そしてこの時点でわかったことがもう一つ。

アクリル絵の具で塗装しても積層痕は消えない、ということ。

もっと極端に厚塗りしたり、2度塗り3度塗りすれば目立たなくなるだろうけどそこまでの手間暇はかけていられません。

 

 三つ目の確認事項「下地の色の影響」を調べるために、緑PLAを塗ってみました。

レギュラータイプの青

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ソフトタイプの赤

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 アクリルガッシュの黄

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 このとき塗った面はプリント時にベッドと接している面なので積層痕はなく、ツルツル面です。

レギュラータイプ(青)は苦もなく簡単に塗れました。色ムラも少なくきれいで、下地の色の影響も受けていないように見えます。

ソフトタイプ(赤)は色ムラが目立ち、全体的に下地の色も透けているような気がします。

アクリルガッシュ(黄)は色ムラが多少ありますが、塗れているところは絵の具が下地の色をしっかり隠せている気がします。

塗りムラが目立つようになったのは、積層面ではなく、ツルツル面に塗ったからでしょうか。

先ほどの白PLAに塗ったものと並べてみました。

レギュラータイプ(青)

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ソフトタイプ(赤)

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アクリルガッシュ(黄)

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レギュラータイプ(青)は下地の色の差を感じさせません。

ソフトタイプ(赤)は緑PLAに塗った方が濃く見えます。

アクリルガッシュ(黄)は緑PLA側に色ムラはありますが、塗れている場所の明暗の差は感じません。

結果、 白PLAを塗ったときは気にならなかったようなことが緑PLAを塗るときには目立つようになりました。ソフトタイプ(赤)は特に塗りにくいな、と。もしかしたら絵の具を出すとき、中で分離していて水っぽい部分が出てきてしまい、それで薄いのでは?などと考えましたが、アクリル絵の具についてWebで調べてみるとそうでもなさそう。

 

実は今回購入した3本の中のうち、レギュラータイプのものとアクリルガッシュのものは「不透明タイプ」でソフトタイプのものだけは「半透明タイプ」だったのです。チューブにもしっかりと書いてありました。

これが不透明

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 こっちが半透明

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私なりにまとめると、

  •  一番気にするべきは「透明タイプか不透明タイプ」かという点。
  • レギュラータイプ、ソフトタイプ、アクリルガッシュの違いで絵の具の粘度が異なるので、塗りやすさが変わるのを考慮。(今回はレギュラータイプが粘度が高く、ムラになりにくかったので使いやすく感じました) 

 

ポスカで塗るとどうなるのか

 おまけに、ポスカも不透明なタイプのはずなのでいけるのではないかと思い、試してみました。

結果は下の写真の通り。ポスカは水性でもあるので、積層の間に入り込んで流れてしまうんですね。この横に伸びたスジは決してポスカで描いたのではなく、勝手に滲み出しているものです。自分は境界をはっきりさせるために縦に線を引いただけです。

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 ということで、今のところ自分の中ではアクリル絵の具が一番使い勝手が良い感じです。プリントしたものをカラフルにしたい方は是非試してみてください。